インドの移転価格証明書(Form3CEB)の様式に係わる変更

10 July 2013 NNAインド版

直接税中央委員会(CBDT)は、2013年6月10日付の「通達No.41」で、インド所得税規則の一部改定を発表し、特定国内取引(Specified Domestic Transactions—SDT)に係わる開示とその報告に用いられる移転価格証明書(Form3CEB)の新たな様式を導入しました。本改定は、2013年4月1日より適用されます。

 

Form3CEBの新様式は、従来13項目で構成されていた様式から開示項目が増え、関連事業者間の国際取引に関する追加の開示並びに特定国内取引の開示を含む25項目で構成されています。インドの移転価格税制は2001年に導入されて以来、関連事業者間での国際取引を対象としていましたが、2012年インド財政法にてインドにおける特定国内取引に対しても適用することが発表されました。これにより、特定国内事業者間との取引価格も独立企業間価格を順守する必要が生じ、当該取引に対する文書化及びその他のコンプライアンスが必要となりました。

 

今般、新たに関連事業者間の国際取引として開示が必要となったのは下記の5項目です。

a) 保証の供与

b) 普通株式・転換優先株式・転換社債の発行・自社株買い

c) 有価証券の売買

d) 売掛金を含む、資本調達取引

e) 事業再編・組織再編に起因する取引

 

特定国内取引に対する移転価格規則が適用されるのは、特定国内取引と見なされる取引の総額が年間5,000万ルピーを超える場合です。特定国内取引の対象となる取引は、インド所得税法92条BA項にて定義されている、一定の費用支払、取引、物品の売買、サービスの提供等です。特定国内取引の開示には、「PartC」と呼ばれる新たなセクションが設けられ、開示が必要となる主な情報は、特定国内取引を行った関連事業者の一覧、基本税務番号(PAN)、当該取引の概要、当該取引の総額、独立企業間価格算定の際に用いた計算方法等になります。

 

納税企業(Tax Payer)はForm3CEBで、対象となる取引の開示を怠った場合には、ペナルティがあることから、全ての対象となる関連事業者間の国際取引並びに特定国内取引が適切に開示されているか注意する必要があります。

 

弊所コメント

近年、中国やインドなどをはじめ、株式の譲渡対価に係る移転価格算定の問題にフォーカスがあたっています。

 

合弁形態で進出した後の資本関係の整理や、地域統括会社の設立により株式を統括会社に譲渡する場合など、グループ間での株の譲渡対価が独立企業原則を満たしていなければ、課税対象となるものと考えられます。

 

移転価格税制は、基本的に全てのグループ間取引が課税対象となるため、特に株の譲渡など金額の大きな取引については注意が必要であると考えられます。