6年間で48億円、クボタ申告漏れ、国税指摘。

2012/06/30 日本経済新聞 西部朝刊 社会面 17ページ

 

大手機械メーカー、クボタ(大阪市)は29日、大阪国税局の税務調査を受け、オーストラリアの子会社との取引を巡り移転価格税制に基づき2011年3月期までの6年間で約48億円の申告漏れを指摘されたと発表した。
 同社によると、追徴課税は過少申告加算税を含め約23億円。同社は「日豪で適正な納税をしたと考えている」として、近く納付した上で、異議を申し立てるとともに、日豪税務当局間の相互協議を申し立てる。同社はオーストラリアの子会社とトラクターなどの取引をしていたが、取引価格が安く、利益移転をしたと認定された。

 

代表コメント

オーストラリアは、日本との相互協議の経験も多く、多くの事案において協議は合意に至っています。移転価格課税を受けた場合、取引を行う両国の税務当局が、どちらの国で税金を納めるべきか話し合い、両者が合意すれば移転価格課税によって二重課税となった部分についてはどちらかの国で還付を受けることができます。

 

ただし、二国間の相互協議にあたっては、両税務当局が話し合いを持てる日程も限られており、複数回のミーティングで合意に至るまでには最低でも1年から2年はかかります。また、両国において納税者が税務当局に情報の提供など協力をしなければならないため、両国でかかるアドバイザーへのコンサルティングフィーは数千万円はかかるケースが多くなっています。

 

また、オーストラリアや米国のように移転価格先進国との相互協議は、数年後に合意に至るケースが多いですが、アジアの新興国などとの協議では、時間をかけても合意に至れない可能性も十分にあるため、やはり事前に対策をとり、移転価格課税を受けない努力が重要です。