コカ・コーラに不買運動:脱税疑惑で一部消費者が怒り

8 May 2013
NNA - インドシナ版
DAINIC
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コカ・コーラの製品は買わない——。莫大な売り上げを計上しながらも帳簿操作で赤字を連年報告し、一文たりとも税金を支払わないとして、米コカ・コーラに対する不買運動が起きている。既に数兆ドン(1兆ドン=4,770万米ドル、約47億円)を脱税しているとの噂(うわさ)が立っており、消費者の怒りを買っている。

 

交流サイト(SNS)「フェイスブック」には、コカ・コーラ製品のボイコットを呼び掛けるサイトが立ち上がり、既に1,000人以上が賛同している。ある消費者は、「コカ・コーラを飲まないことに決めた。ベトナムでもうけているのに、税金を支払わないなど許されるはずがない」と書き込んでいる。

 

6日付ベトナムネットによれば、現地法人コカ・コーラ・ベトナム(ホーチミン市)は1994年設立で、赤字を連年計上。2010年の売上高は04年比で3.5倍の2兆7,170億ドンに達したが、赤字額は1,880億ドンと04年の2倍近くに拡大している。累積赤字は3兆7,680億ドンに膨らみ、初期投資額の2兆9,500億ドンを大きく超過。10年以上にわたり法人税を一度も支払っていない。

 

巨額赤字を申告しながらも、昨年10月にはベトナム事業を拡大すると発表。これを契機に、大衆の怒りに火が付いた。発表文では、向こう3年で3億米ドルを新たに投じ、投資総額を5億米ドルに拡大するとした。しかし、巧みな帳簿操作で一文も税金を落としていないとの噂を聞きつけた消費者からは、「さらにベトナム市場を食い物にする気か」などと怒りを買った。

 

ホーチミン市税務局は、コカ・コーラ・ベトナムが移転価格操作で不正に赤字を計上している疑いがあると言及している。移転価格操作は、海外関連会社との取引を利用し、課税所得が税率の高い国では低く、税率の低い国では高くなるよう操作することで、税金支払いを抑える脱税行為。税務当局はコカ・コーラ・ベトナムへの捜査に踏み切る計画だ。

 

■ダナン市は新たな投資を拒絶

コカ・コーラ・ベトナムは投資拡大をもくろんでいるが、順調には進んでいないようだ。ベトナム側がこれをはね除けているためだ。

 

同社は事業拡大を発表して間もない昨年末、既存工場を構える中部ダナン市リエンチエウ区で新たに4,700平方メートルの敷地を確保するため、市政府に認可申請した。しかし、市政府はこれを拒否。市人民委員会のボー・ドゥイ・クオン氏は今年初め、コカ・コーラ・ベトナムの代表者との会議で、「移転価格操作の疑いがあり、市の財政にも貢献しない企業の事業拡大は認めない」と一蹴した。

 

コカ・コーラ・ベトナムは、ホーチミン市、ハノイ市、ダナン市の3都市にそれぞれ工場を持ち、約2,000人を雇用している。

移転価格操作については、コカ・コーラ・ベトナムと飲料市場でしのぎを削る米系ペプシコ・ベトナムに対しても疑いが出ている。昨年末には、独系のアディダス・ベトナムについても疑惑が持ち上がっている。

NNA Japan Co., Ltd.

 

弊所コメント

日本においても、移転価格課税を受けた場合、新聞報道では「申告漏れ」として報道されます。特に海外への所得移転というものは、租税回避と受け取られやすく、一般消費者を顧客とするビジネスにおいて、移転価格課税を受けることはブランド価値の毀損にとどまらず、売上の低下に紐づく可能性もあります。

 

移転価格への適切な対応を行い、適正な納税を行うことが、長い目でみて最も有効な手段であると思われます。