申告漏れ:シマノ、4.3億円 -寄附金課税と移転価格税制-

(出所:毎日新聞 2012年7月31日 大阪夕刊)

東証・大証1部上場の自転車部品製造・販売会社「シマノ」(堺市堺区)が大阪国税局の税務調査を受け、海外子会社との取引などを巡り、11年12月期までの3年間で計約4億3000万円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。追徴税額は過少申告加算税を含め約1億4000万円で、同社は既に修正申告し、納付した。

 関係者によると、自転車部品や釣り具を製造する中国の子会社から製品を購入する取引について、国税局は「通常価格より高額で買い取っており、子会社への利益供与にあたる」と認定、購入資金の一部を寄付金と判断した模様だ。このほか、費用の計上方法に経理ミスがあったという。同社は「国税当局と見解の相違があったが、指摘に従った」としている。

 

代表コメント:

海外子会社との国際間取引に係る価格設定の操作により海外に所得が移転する問題は移転価格税制の課税対象です。一方で、移転価格税制と類似する課税方法として、「寄附金課税」というものがあります。移転価格課税に比べ、寄附金課税の方が知名度が高いと思われますが、寄附金課税の場合は、価格の操作による海外子会社への所得の移転を一種の寄附行為として損金性を否認して課税します。

 

移転価格課税を行うのは、主に国際税務の専門官であり、その人員は限られるため、これまで中小・中堅企業は、「移転価格課税は大企業にしか課税されない」と、たかをくくっている会社様が多いように思います。しかし、一般の国税調査官が、国外関連者間取引について寄附金として課税を行うケースは実際には多く、注意が必要です。特に、海外子会社への役務提供の対価を取っていない場合や、ノウハウの提供があるのにロイヤリティを回収していない場合などは、明らかな寄附行為と思われやすいため、海外子会社からきちんと対価回収を行う体制を整えることが重要です。

 

寄附金課税についても、移転価格課税についても、国外関連者間取引に係る対価回収の問題は、基本的には同じ内容ですので、お困りの際は、お気軽に、ご相談下さい。