シンガポールで移転価格文書義務化等の動き

移転価格文書の作成要件や移転価格税制関連のペナルティーが明確化される見込み

 

シンガポールでも既にOECDの移転価格ガイドラインと足並みをそろえる格好で独立企業原則の適用等について所得税法(ITA)に定めが設けられていましたが、2015年以降は特に移転価格税制整備の動きが活発化しています。

 

そして、2017年の改正所得税法案では以下の改正案が議会を通過しており、移転価格文書化を含む移転価格税制の執行強化が見込まれれます。

  • 2018年修了事業年度以降の移転価格同時文書化の要請(売上高1,000万SGドルの閾値あり)
  • 文書化義務違反時のペナルティーの10,000 SGドルへの引上げ
  • 移転価格調整が生じた場合の付加税(5%)の自動適用(IRASが放棄する場合を除く)
  • 実態に基づく課税の原則(いわゆるSubstance over Form)の明確化(これによりIRADは取引を実態に引き直す(再構築する)ことができることが明確になった)

OECDやG20のBEPSプロジェクトを受けて各国で移転価格税制の執行が強化されています。シンガポールはアジアの中でも法制、その他のインフラの面で充実しており、税率の低さ等も相まって日系企業を含む多くの多国籍企業が展開している国となっていますので、ある意味自然な動きであると思われます。

 

執行がどこまで強化されるかは不透明な部分もありますが、移転価格文書化の重要性が増すことは確かであり、特にシンガポールとの取引金額が大きい企業は、移転価格文書化を通して当局に説明をできるようにしておくことが望ましいと考えられます。

 

(2017年12月20日)