スズキが描く逆転戦略―タイでは品質勝負、「スイフト」生産、割安感も演出。

2013/10/18 日本経済新聞 朝刊

スズキが東南アジアで巻き返すにはライバルが居並ぶ域内最大のタイ市場の攻略も避けては通れない。約240億円を投じた新工場で昨年3月から世界戦略車「スイフト」を生産する。9番目の日本車メーカーとして「追う戦略」に徹する。


 カギを握るのは品質。工場開設時に日本から従業員200人を派遣した。通常の4倍規模だ。コストはかさむが「最後発で戦う以上、品質に万全を期す」とスズキ・モーター・タイランドの杉山隆之社長は説明する。


 もうひとつは価格。スイフトは最廉価車でも47万バーツ(約146万円)と競合車より20万~30万円高い。ところが実際の販売の8割は56万バーツとさらに高い最上級車に集中したのだ。


 これには仕掛けがある。2009年から旧型車を日本から輸入販売し、欧州車風のデザインや走行性能が現地の車ファンに評判となった。価格は65万バーツ。現地生産でその新型車が30万円安く買えるようになり、むしろ割安感を演出できた。


 スイフト人気でスズキの8月販売実績は前年同月比8割増と主要メーカーで唯一プラス。シェア4・8%は日産自動車(7・2%)に次ぎ、目標とする「シェア10%」の早期到達を狙う。