仏政府、多国籍企業への移転価格課税強化へ

7 June 2013
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
Copyright 2013. Dow Jones & Company, Inc.

 

 【パリ】フランス政府は、多国籍企業に対する移転価格課税を強化する計画だ。利益を税率の低い海外に移転させるという、法の盲点をついた節税に断固たる措置をとろうとする欧州各国における最新の動きとなる。

 

 フランス財務省は向こう数カ月中に、いわゆる移転価格課税を強化する法案を提出することを計画している。これにより財・サービスを販売した国で利益を計上する規制を整えられると、ある財務省当局者は話した。

 

 新法が成立すれば、法律に従う税構造であることを証明する負担が企業に移るほか、違反時の罰金も引き上げられそうだ。また税務当局が企業の会計の詳細を検査することも可能となる。現時点で当局にこの権限はない。

 

 背景には、多くの多国籍企業が国ごとの税制の違いを利用し、巨額の売上高と利益を法人税が低いか、またはゼロの海外へ合法的に移転していることがある。米上院の6月初めの報告書では、米アップル(Nasdsaq:AAPL)がアイルランドと米国の法律上の専門事項を利用し、過去4年にわたり740億ドルの利益に対する法人税をほとんどまたは全く納めなかったと指摘された。

 

 欧米の主要国政府はこうした抜け穴を塞ぎ、米グーグル(Nasdaq:GOOG)などのIT企業を中心とする多国籍企業からより多くの税収を絞り出そうと積極的に動いている。英米政府はこの件をめぐり政府審問(ヒアリング)を行った。フランス政府も6日に公表した28ページの移転価格課税の報告書を公表し、これが法案提出を「促すものだ」としている。