日本ガイシ、160億円申告漏れ、国税局が指摘、異議申し立て。

2012/05/09 日本経済新聞 夕刊 14ページ

 

日本ガイシが海外子会社との取引を巡る移転価格税制に基づき、2010年3月期までの5年間で、約160億円の申告漏れを名古屋国税局から指摘されていたことが9日、関係者への取材で分かった。
 追徴課税は法人税や地方税などを含めて約80億円。日本ガイシは「適正な取引条件のもとで各国の税制に従い、適正な納税を行った」としており、法人税分を納付した上で、課税処分を不服として異議申し立てをした。
 関係者によると、米国とポーランドの海外子会社が自動車用排ガス浄化装置の部品を製造する際、技術料を日本ガイシに支払ったが、国税局は適正価格より安価にして同社の所得を海外子会社に移したと指摘した。
 移転価格税制を巡っては企業側の異議申し立てが目立ち、武田薬品工業が大阪国税局から申告漏れを指摘されたケースでは同社の異議が認められ、国税局が課税の一部を取り消した。

 

代表コメント

近年の日本での移転価格課税は、「技術料」、「ロイヤリティ」など、海外子会社への無形資産やノウハウの供与に係る対価に関するものが多くなっています。

 

過去においては、日本で製造した製品を海外に輸出して、現地の販売子会社が販売するという商取引が中心でしたが、近年では現地生産・現地販売のいわゆる外-外取引が増えています。そのため、日本と海外子会社との取引はロイヤリティ・技術料などが中心となり、課税事案もそれにしたがって無形資産対価に関するものが増えています。

 

物の取引については、ある程度相場があるため、価格の設定に困らないケースもありますが、ロイヤリティ料率の算定方法は、移転価格税制上の独特な考え方があり、専門家でないと誤った結論となりかねません。特に無形資産取引にかかる移転価格の設定については、専門家に依頼した方が得策だと思われます。