激動するインドネシア・投資のポイント 新法への対応、急ぐと損に

日刊工業新聞社 19 July 2013

 

最近のインドネシアへは、国内小売業、リース、不動産関係、保険、EC(電子商取引)等など、今までの資源関係、製造関係の会社とは違う業種の企業が進出してきている。これはインドネシアが抱える約2億3000万人といわれる人口、好調な経済にけん引された中間層の増加により、多くの外資系企業にとってインドネシア国内市場が魅力的であることに他ならない。

 

しかし同時に、以前の安価な労働力を求めた企業進出については、最低賃金の大幅な上昇と多発する労働問題、また2010年以降は移転価格調査の厳格化によって、従来モデルでの投資は意味がなくなってきている。

 

またジャカルタにおいては、ショッピングモールやアパート、商業ビルなどの建設ラッシュで近代化が続いているが、長期計画的にインフラ整備が行われてこなかったため、ここにきて交通渋滞が日々深刻化している。最近になり、円借款によるMRT(大量高速公共交通システム)の建設が開始されたが、公共の交通手段が少ないため、市民は自動車と2輪車に移動を依存しているのが現状であり、渋滞が改善されるのはまだ先になりそうだ。またすでに空港や港の収容能力も限界となっており、新しい空港と港の整備が議論されている。

 

このように市場としての潜在能力は高いが、長期的な計画が見えないため、市場の伸びに限界を感じるインドネシアで成功する鍵はなにか。恐らくそれは、日本人とは違うインドネシア人の価値観や特徴を理解することにあるのではないだろうか。

 

まず労働者としては、単純作業を好み変化を好まない傾向がある。そのため作業の守備範囲がせまく、多岐にわたる仕事をこなすことは苦手なため、分業体制を考えなくてはならない。変化をうまくコントロールしなかったために、労働問題に発展したことがあるので気をつけて管理したい。

 

またインドネシア人は「できない」と言うことを極度に控えるので、NOと言われなくてもその意思を理解する必要がある。また交渉などの際は、前日に言っていたことが翌日180度転換することもあり、要所を固めるべく注意したい。

 

法律面では、アドバルーンのように突然新しい法律が発表され、その後人々の反応をみながら施行令が出される。

 

これにより法律はあっても施行令がないため、実際に施行されていないことが多々ある。通常1度成立した法律は取り消しとならないが、何か明確な施行令または改訂令がでない場合は、同じ法律が議論されることがある。

 

そのため、新しい法律の成立にあわせ、即対応すると損をすることもあり、法律の変更履歴を注意して理解し、対応を検討することをお勧めする。