米本国投資法に絡む訴訟2件、多国籍企業が注目

3 July 2013
ロイター:日本語ニュース
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[ワシントン 2日 ロイター] - 税法の専門家によると、海外利益の本国送金促進を目的に2004年に成立した「米本国投資法」に絡む2件の訴訟が、多国籍企業の間で注目を集めている。

 

訴訟を起こしたのは、テキサス州のシステム会社BMCソフトウエア と、マサチューセッツ州の回路メーカーであるアナログ・ディバイシズ の両社。BMCは2011年に税金請求を受け取った後、アナログは12年の税金請求を受けて、それぞれ米租税裁判所に米内国歳入庁(IRS)を提訴した。BMCが起こした訴訟は昨年5月に審理入りしており、アナログの訴訟は11月からの審理が予定されている。

 

裁判の争点となっているのは、ブッシュ前大統領が導入した本国投資法に基づいて本国に送金された海外利益の税制面の扱い。

 

本国投資法は国内投資の促進を狙い、多国籍企業が海外での利益などを本国に送金する場合の税率を一時的に35.0%から5.25%に引き下げた。これに伴って約800社が3620億ドルを本国に送金。アナログとBMCも05年にそれぞれ10億ドル、7億1720万ドルを送金した。

 

しかし両社はいずれも送金時の移転価格をめぐってIRSと対立。この件についてはIRSと和解したが、優遇税率で本国送金できる海外利益が減少して通常の法人所得税率が適用される国内利益がかさ上げされたため、移転価格をめぐる和解は本国送金とは無関係だと主張して提訴した。

 

マクダーモット・ウィル・アンド・エメリーの法専門家のシム・ローウェル氏は、IRSのアナログ社に対する課税は行き過ぎだと指摘。「この訴訟は納税者側が勝利するだろう」と述べた。