経済産業省、新興国での移転価格税務トラブル 事例集作成し注意喚起

10 September 2013 日刊自動車新聞

 新興国の税務当局が外資企業に強引な税務執行を行う事例が目立ってきたことを受け、経済産業省は9日、こうした課税トラブルに関する事例集をまとめて企業に注意を促した。中国やインド、ASEAN(東南アジア諸国連合)などに多く見られる移転価格税制やPE(恒久的施設)認定などに伴うトラブルの具体案を紹介し、企業の対応策や相談窓口なども掲載する。

 

 新興国の一部では、自国産業の育成や外貨獲得を狙いとし、外資系企業に対して強引な税務執行を行う事例が多発している。例えば、関連会社間の取引を通じた所得の海外移転を防ぐため、一般的な取引価格をベースに所得を計算し、この実態を乖離(かいり)している場合に課税する「移転価格税制」を強引に運用し、追徴課税を求めたり、親会社から独立して業務を行っている現地子会社が、税務当局から突然「親会社のPE」と認定されて課税対象になったりするケースがある。税制が頻繁に変更されたり、地域や税務担当官によって執行に差があったりする例もある。企業が異議申し立てを行おうとしても制度が整っていなかったり、適切な判断が下されなかったりするケースがあるという。

 

 事例集では、こうしたトラブルを類型化して紹介しているほか、情報収集を強化したり、契約書や資料をあらかじめ用意しておくなどの対策を紹介。現地のJETRO(日本貿易振興機構)事務所や中小企業基盤整備機構、在外日本人商工会議所などの相談窓口も掲載している。また、EPA(経済連携協定)上、ビジネス環境整備小委員会が定められている国に対しては「進出企業全体の問題」として相手国へ改善の申し入れを行えるケースもあるので、課税トラブルに関する情報も求めていく。

 

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