DJ-G20、国際的な法人税制の抜本改革採択へ

20 July 2013 ダウ・ジョーンズ欧州企業情報

 

【ロンドン】(ダウ・ジョーンズ)20日までモスクワで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、企業の租税回避を可能とする法律の抜け穴をふさぐため、国際的な税制の大幅改革を採択する見通しだ。

 

多国籍企業などによる国際的な課税逃れをめぐっては、経済協力開発機構(OECD)が15項目の行動計画を練り上げた。G20財務相・中央銀行総裁会議ではこれを協議にかける。

先進国の多くは、高水準の財政赤字や債務残高の縮小に向け、税収拡大の取り組みを強化している。その一方でここ数カ月にわたり、多国籍企業が納税額を最小限に抑えようと利用する数々の方策がメディアをにぎわせてきた。

 

今回の行動計画は、1920年代から発達した二国間租税条約が複雑に入り組む中で生まれた抜け穴をふさぐのが目的。こうした抜け穴の存在が、合法的に企業の利益を低税率国へ移転する「攻撃的な」税務計画を可能にしている。

 

より根本的には、各国内にほぼ焦点を絞っている現在の税務管理体系からの脱皮を目指す。国際的に事業展開する企業の増加に合わせ、国際的な課税体系の近代化を図る。

この実現に向けて行動計画は、異なる国に位置する関係企業間でライセンスや商標権といった無形資産が多く取引されている現状を踏まえ、移転価格税制の改正をうたう。

 

また、低税率国に移転された利益への課税権を各国政府に付与する措置も盛り込んだ。これにより複雑な金融の仕組みを駆使して企業が租税を回避したり、契約を使って実際には事業展開している国に課税対象組織を置かずに済ませたりする機会を阻止する。

 

OECDは行動計画をG20が全会一致で支持するとみている。OECDの租税政策・税務行政センター(CTPA)でディレクターを務めるパスカル・サンタマン氏によると、税負担の軽減を狙う多国籍企業の多くが本社を置くオランダとアイルランドも賛同の意を表明した。

 

G20は、行動計画を2年間で導入する野心的なスケジュールで合意する見込みだ。サンタマン氏は、新規制について実際に税金を納める企業から意見を聞く機会は設けるものの、規制を策定する作業部会の正式な構成員には企業を含めないと述べた。

 

行動計画の念頭にあるのは、デジタル関連企業だ。OECDはデジタル関連企業が国際税制に厳しい課題を突き付けているとの見方を示した。

 

電子的な財やサービスは、瞬時にある国から別の国へと送られる。基本的に商品や支払いがインターネット上でやりとりされるため、企業が税制の抜け道を容易に見つけることができる。こうした企業の間では、高税率国で売り上げを申告せずに販売費用のみ計上するといった手法が幅広く行われているとされる。