G8*税逃れ阻止へ連携強化*多国籍企業対策*実効性が焦点

19 June 2013,

 
Copyright 2013. 北海道新聞社 All Rights Reserved.
 

 【エニスキレン共同】主要国(G8)首脳会議は多国籍企業などによる課税回避を防ぐため連携を強化する。国境をまたいだ商取引への課税は、グローバル化する経済の実態に税制が追いついておらず、実効性のある仕組みを構築できるかが焦点となる。(1面参照)

 企業が脱税の隠れみのに使われるのを避けるため、企業の実質的な所有者に関する情報公開も強化する。脱税防止策の強化を訴えてきた非政府組織(NGO)英グローバル・ウイットネスの代表者は18日、エニスキレンで記者会見し、こうした問題がG8で取り上げられるのは「画期的だ」と歓迎した。

 

 税をめぐって今回の首脳会議で主に取り上げられたのは、二重非課税や「移転価格」の問題。

 

 二重非課税は、企業が2国間の異なる税制を組み合わせることによって、どちらの国でも課税されない問題を指す。グループ企業が国境をこえて取引する際の移転価格を人為的に操作することで納税額を抑える行為は、米アップルや米スターバックスなどの有名企業で次々と表面化した。

 

 これらの多くは違法ではないが、欧州連合(EU)欧州委員会のバローゾ委員長は17日、EUだけでも毎年約1兆ユーロ(約127兆円)の税収が課税回避や脱税で失われていると指摘。1国だけが規制を強めても、企業の他国への流出を招く恐れがあり、国際協調が求められている。

 

 財務省幹部によると、日本の大企業による過度な節税は欧米ほどみられない。だが、各国のルールが共通化することで日本企業にとっては競争の土俵が同じになるため、有利に働くことが期待される。

 

 具体的なルールづくりは今後、各国の調整を担う経済協力開発機構(OECD)が手がける。中国やブラジルなどの新興国を加えた20カ国・地域(G20)でも議題とし、共通のルールづくりを進める方針だ。

*問題になった多国籍企業の納税例

 

<アップル>

 タックスヘイブン(租税回避地)や移転価格の操作を用い、2012年だけで約90億ドルの課税を逃れた

 

<グーグル>

 06〜11年まで、英国で約180億ドルを売り上げたが、事業はアイルランド法人のものだとして、英政府には約1600万ドルしか納税しなかった

 

<スターバックス>

 英法人は1998年の進出以来、1年を除き全て赤字申告。約30億ポンドの売り上げに対して納税額は約860万ポンドだった

(米上院、英下院の報告書による認定)