移転価格解説

【ま行】


  • 無形資産(Intangible Assets

文字通り、形のない資産のことを言います。

移転価格の分野において、無形資産は特許権、実用新案権、商標権といった法的な権利だけではなく、ノウハウや顧客ベースなどを含む幅広い概念になります。つかみどころがないため、移転価格税制に基づく巨額課税の裏舞台では、無形資産の解釈がしばしば問題になっています。

そのような状況を受けて、令和元年の税制改正にて無形資産の定義の明確化が図られましたが、どこまで行っても解釈の余地を残すのが無形資産ですので、特に収益性が高い事業において、関連者間の所得配分を考える際には無形資産の解釈等について注意する必要があります。

ちなみに、法令上の定義をかいつまんで言うと、有形資産及び金融資産(現金、預貯金、売掛金、貸付金、有価証券、デリバティブ取引に係る権利等)以外の資産で、独立の事業者の間で通常の取引の条件に従って譲渡・貸付け等が行われるとした場合に対価の額が支払われるべきもの、とされています。