移転価格解説

南アフリカ共和国の移転価格税制

南アフリカ共和国

【基本情報】 (2012年5月現在)

①税務当局

South African Revenue (SARS)

②移転価格税制の課税対象

20%以上の資本関係のある国外関連者との取引。

但し、実質的な支配関係にある場合も課税対象となる可能性がある。

③移転価格課税に係る更正期限

原則3年。

④移転価格に関する開示義務

申告書上で移転価格に関する開示が求められる。正確な開示がなされない場合、更正期限が延長される可能性がある。

⑤移転価格算定方法

CUP法、RP法、CP法及び利益法(TNMM及びRPSM等)が認められる。

CUP法が優先適用されることとなる。

⑥移転価格課税に係るペナルティー

最大で、追徴税額の200%が加算税として課される。

加算税の%はある程度SARSの裁量にゆだねられており、文書化資料の準備などにより納税者の協力姿勢を示すことができればペナルティーを減額できる可能性がある。

⑦南アフリカ当局の特徴

SARSは特にリスクの限定的な販売業者を注視する傾向にある。

また、SARSと南アフリカ準備銀行(South African Reserve Bank)が連携しており、取引金額の大きいものを監視している。

⑧比較対象会社の選定

南アフリカの企業で情報が利用可能なケースは多くないため、必ずしも南アフリカの企業を選定することは求められない。

データベースについては、SARSは Orbisを使用するケースが多い。

⑨関税当局と税務当局の連携

関税当局と税務当局の連携レベルは高い。

⑩相互協議及びAPA

SARSは相互協議の経験は少なく、二重課税の解消には困難が予想される。

また、APAに関する国内規定は無い。

⑪使用言語

公用語の11ヶ国語が認められているが、実務上は英語が使用されるケースが多い。