シンガポールの移転価格税制

シンガポール

【近年の傾向】  

201516日、シンガポール税務当局(IRAS)は、2006年の移転価格ガイドライン及び後続の補足ガイドライン及び通達をアップデートした包括的な新ガイドライン公表した。新ガイドラインでは、IRASが、いわゆるBEPSの議論においても指摘されている移転価格案件の複雑化、世界的にタイムリーで透明性の高い移転価格に係る報告が必要とされることなどを認識していることが示されるとともに、 移転価格文書の作成・保管、その他概念的・実務的に問題となる点についても指針が示されている。

 

 

【基本情報】

①税務当局

Inland Revenue Authority of Singapore (IRAS)

 

②移転価格税制の課税対象

関連者間(直接・間接な支配関係のある者又は直接・間接に共通の者に支配されている者の間)で行われる取引。なお、関連者にはPEなども含まれることとなる。

 

③移転価格文書化義務(マスターファイル、ローカルファイル、国別報告書)

I.国別報告書

  • シンガポールに本社を置き、且つ当該企業グループの連結売上高が11.25 million SGDを超えている場合は国別報告書を作成する義務がある。
  • 対象初年度:2017年
  • 期限:会計年度終了から12か月内に提出。
  • 使用言語:英語。OECD指定のXML Schemaを導入予定。
  • 代理提出:外国企業グループの代理提出は受け付けていない。
  • 罰則:国別報告書を期限内に提出しなかった場合、IRASはつぎの措置をとる。①1,000 SGD以下の罰金、②当該罰金を納めなかった場合、6か月以下の懲役、③有罪確定日から日50SGDの追加罰金。国別報告書に虚偽または誤解を招くような情報があると判断された場合、①10,000 SGD以下の罰金、②2年以下の懲役、③又はその両方。

BEPS Action 13のマスターファイル、ローカルファイルについてのガイダンスは、現時点では法令に取り組まれていない。

現行文書化ガイダンス

特定の場合を除き、同時文書の作成・保管が求められる(帳簿保存要請の一部)。

新ガイドラインでは同時文書の内容についても一定の指針が出されている。

 

④移転価格に関するその他開示義務

無し

 

⑤移転価格算定方法

独立価格比準法(CUP法)、原価基準法(CP法)、再販売価格基準法(RP法)、取引単位営業利益法(TNMM)、利益分割法。適用の優先順位は特に無く、最適な方法を選択するいわゆるベストメソッドルール。

 

⑥移転価格課税の時効

2008年以降の調査年度については4年。ただし、租税回避の場合は無制限。 

 

⑦罰則等

移転価格固有のものはないが、追徴税額の100~400%のペナルティーが課される(その他罰金や禁固が課される可能性もあり)。

従来の実務では100%~200%のペナルティーが課されることが多かった。

 

⑧相互協議及びAPA

相互協議・APAについては相当の経験を有しており、二重課税の解消も可能である。

特に過去の傾向からすると、日本との相互協議については合意できる割合が高くなっている。

 

⑨使用言語

英語

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