【あ行】


企業グループ内の取引価格のことです。

たとえば、日本の自動車メーカーが米国の販売子会社を通じて自動車を販売する際、日本から販売子会社への輸出(販売)価格が移転価格になります。

日本では基本的に国を跨いだ企業グループ内取引における取引価格のことを指し、この移転価格の設定次第で各国で支払う税金が大きく変化し、企業経営に大きな影響を与えることになりかねないことから、移転価格税制という税制の対象となっています。

 

企業活動のグローバル化に伴い、国外関連者との取引を通じた所得の海外移転に対処するため、日本では昭和61年度税制改正で導入された税制(租税特別措置法第66条の4「国外関連者との取引に係る課税の特例」)を言います。

導入以降、幾度もの改正を経て、OECDなどと足並みを揃えた制度になっています。

 

  • 移転価格文書(Transfer Pricing Documentation

さまざまな定義が考えられます。

例えば、「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」(令和2年6月)では事務運営指針3-5に定める移転価格文書を便宜上「移転価格文書」と定義しています。ここでいう移転価格文書はざっくり言えば、ローカルファイルやそれに付随する文書、ないしそれらに準ずる資料のことです。

一方、実務における会話の中などでは、BEPSプロジェクトの勧告を受けて整備された文書化制度において、連結総収入金額が1,000億円以上の大手の多国籍企業グループ(特定多国籍企業グループ)が作成する文書を指して「移転価格文書」と言ったりもします。ここでいう移転価格文書は、主にBEPSプロジェクトで勧告された「国別報告事項(いわゆるCbCR)」、「事業概況報告事項(いわゆるマスターファイル)」、「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(いわゆるローカルファイル)」の3種類の文書を指す用語で、ここに日本が独自に作成を求める「最終親会社等届出事項」を含めたり、含めなかったりします。