移転価格税制上の「重要な無形資産」と「独自の機能」

 平成23年度の税制改正前においては、上記の残余利益(超過利益)が「重要な無形資産」に起因するものとされていましたが、改正後の規定では、「独自の機能」という表現に改められています。これまで移転価格税制上の無形資産は、特許やブランドのみではなく、もっと広い概念として捉えられてはいましたが、「独自の機能」という語になったことで、無形資産以外のものも含まれることとなり、比較対象会社と異なる機能や収益の発生要因がすべてこの「独自の機能」の中に含まれることとなったように思われます。このことにより、比較対象会社の利益率を超える部分についてはすべて、なんらかの「独自の機能」によるものとして判断され、結果として残余利益分割法を用いられるケースが多くなることが予想されます。しかし、実際の分割にあたっては、納税者の「独自の機能」というよりは、寡占状態による競争の少なさや、需給ギャップなどによる市場の要因により高い利益率を計上しているケースもあり、その状況が納税者と比較対象会社の間で異なる場合においても「独自の機能」として片づけられる恐れがあります。このような市場の状況は、第一段階の「基本的利益」の計算において反映されるべき性格のものであるため、「基本的利益」の中で解決すべき問題と、「残余利益」の中で解決すべき問題を明確に認識したうえで、残余利益分割法を適用することが望まれます。

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