移転価格解説

中堅企業と移転価格課税

大企業が数億円から数十億円の追徴課税を受けた場合では、訴訟や相互協議を通して二重課税を解消することも多いですが、この相互協議が合意に至るまでには2~3年超の歳月がかかるということと、現実的には日本と相手国の両国で専門家のサポートが必要となるため、外部コストだけでも数千万円以上かかるケースが多いものと思われます。

追徴課税の金額が数億円以上の場合には、コストと歳月をかけてでも相互協議を行う経済的なメリットがありますが、数百万円から数千万円の追徴課税を受けた場合、相互協議を行っても還付税額が対応コストに見合わないケースが多いものと考えられ、一般的に中堅企業の小規模取引において二重課税を解消することは現実的には難しいものと考えられます。

一方で数百万円から数千万円の追徴課税というと中堅企業にとっては大きな金額なので、いかに課税を受けないように事前の対応をするかがより重要になると考えられます。